短編小説

□祝の言葉と祝福を
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XANXUSが寝室へと消えてから数十秒。



スクアーロはその間も目を瞑り、ソファに腰掛けていた。



この部屋の隣に寝室はあり、室内にある扉がつながってるため総時間は掛からないはずだとスクアーロは思っていた。



「もういいぞ」



案の定、そんなに時間は掛からず、XANXUSが部屋へと戻ってきた。



……手には大きな花束を抱えて。



「アンタ…それ、どうしたんだぁ?」



目を開けて目の前に花束を差し出されたスクアーロは困惑した表情でXANXUSを見つめる。



無理矢理押し付けるようなカタチで花束を受け取らせ、XANXUSはため息をついた。



「カード見てみろ、ドカスが」



事情を把握しきれていない彼に自分から言うのが馬鹿馬鹿しくなってきたので、



遠まわしにXANXUSは花束についていたカードを顎で示した。



スクアーロは頭上にクエッションマークを浮かべながらもカードに目を通していく。



高価そうなカードには『Buon Compleanno. Grazie per essere nato』と丁寧に書かれていた。



「…じゃぁ、ボスこれ…俺に?」



「他に誰がいるってんだ?」



呆れたようにXANXUSが言うと、「そうだよなぁ…」と納得したかのように数回頷いた。



「Grazie!!!!!ボス!!!大好きだぁ」



「フン…自分の誕生日忘れてたくせによく言うぜ」



さっきまでの疲れはどこへやら。



満面の笑みでえへへと笑った顔がまた愛おしくて、触れるだけのキスを1つ。



「誕生日おめでとう、スクアーロ」



「おぅ!!ありがとなぁ」





君が生まれてきてくれたとこと、今、自分のそばにいてくれることに……『感謝』を。












「でも、アンタが俺に花束なんてなぁ…」

「あ゛?気に入らなかったか」


「そういうわけじゃねぇけど!!!…年は取るもんじゃねぇなと思ってよ」

「どういう意味だ」


「う゛ぉぃ!!怒るなって!!褒め言葉だぁ…」


「……フン」












END
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