中編小説

□【もしリボ】貴族×奴隷 ―終章―
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あの日・・・・・・スクアーロを屋敷に連れてきた日から早1週間が過ぎた。



「おはようXANXUS!」



「あぁ」



笑顔を眩しいくらいに輝かせ、おはようと呼びかけるコイツはスクアーロ。



いつの間にか、気づけば家事は全てコイツがやっている。



別にやる必要はないと言ったのだが、何もしないでいるのが嫌らしく、



朝は俺よりもこうして早く起きて朝食の用意をしていたりする。



最初のうちは仕切りに掃除やら洗濯やらをしていてあわただしかったが慣れたのだろう、



今では手際良くこなしているから不思議で仕方がない。



「・・・」



「な、何だぁ?俺の顔になんかついてんのか?」



「別に、」



目があった途端に、不自然にふぃと顔を逸らしたXANXUSを不思議に思ったのか



スクアーロは家事の手を止めてXANXUSの元へと駆け寄った。



ここ最近では一日に数回ほどこのようなやり取りが行われている。



最初はあまり気にならなかったスクアーロだったが、日を追うごとにソレは小さな悩みのタネとなっていた。



今日こそはと、家事の手を止めてXANXUSのいるソファーへ駆ける。



「この間からザンザスへんだぞぉ!目が合ったらすぐ逸らすし・・・」



「ちょっ・・・てめ!乗んな!!降りやがれ!!」



「嫌だぁ!今日という今日は理由を言うまで降りねぇ!」



「・・・っ・・・・・・はぁ」



こうなったら何をしても引き下がらないスクアーロにはなすすべがない。



しかもソファーに座っていた上からスクアーロが乗ってきたために2人はこれでもかというほど密着している。



大きな声を出して乱れたスクアーロの吐息が驚くほど近くで感じられる。



「・・・・・・、正直自分でもわかんねぇ」



仕方なく先に折れたのはXANXUSで、その返答にスクアーロは首を傾げる。



「・・・・・・それより、いつになったらその格好を直すんだテメェは」



「え?」



半ば強引に話題を変えようと、XANXUSもまた、気になっていた疑問をぶつける。



呆れてため息を吐いたXANXUSの目線は自分に馬乗りになっているスクアーロへ向けられた。



「・・・屋敷の外には出ねえんだから別に、誰も困らねえだろ?」



しれっといいのけた彼はXANXUSの服を着ただけでそれから下は下着だけですらりと伸びる白い素足が丸見えの状態・・・。



救いなのは着ている服が大きくて太ももくらいまで隠れている事くらい。



「誰も困らねえったって・・・」

ーー俺が困るんだよ。



そんなこと言えるはずもないXANXUSは再びため息をはいた。



何だって俺がこんなガキに振り回されてんだ・・・。









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