novel No.1 .


□『ツマラナイ』
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だって、勝ってなにになるの?






定期テスト


「いいか?いっせーのーせだぞ」

「うん、分かってる」

「いくぞ、いっせーのー…」



「「せっ!」」


同時に、定期テストの結果を見せる。

「…国語96、数学97、英語95、理科92、社会94」

「また君の勝ちだね」

「一年の頃から通算9勝0敗だな」

「うん。悔しいなぁ」

「…あまり悔しくなさそうだが…」

「え、そう?」






100m走



「位置について」


足を合わせる。


「本気だせよ」

「うん。そっちこそ」

「よーい…」


腰を浮かせて…


「ドンッ!」


一斉に走り出す。


差がどんどん開いていき…


勝負は13秒前後であっという間に終わってしまった。



「…俺の勝ちだな」

「うん。君には何も勝てないや」


そう言っている間も、笑顔は絶えない。


「…悔しくないのか?」

「え?そりゃあ悔しいよ。僕が負けず嫌いだって、知ってるでしょ?」

「…あぁ…」

「へ?なんで?」

「いや…なんでもない」



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