もみじ饅頭2

□ヘタレ狼
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「廉!」
「ウヒッ、は、榛名、サン!」
「あ、榛名さんだ」
「チッ」

【ヘタレ狼】

「何だよ、タカヤ。廉の恋人のオレに何か用かよ?」
「何もないですよ」
「相っ変わらずカワイクねェなァ」
「は、榛名、サン、ど…うして」
「ん?廉の顔見たくなったから」
「フヒ…」

うわぁ、顔赤くしちゃって可愛いー。

「三橋ー、そんじゃ俺らはこれで」
「あ、ぅ、うん!」
「ばいばーい」
「また明日〜」
「三橋、お前榛名なんかに付き合ってあんま夜遅くまで外出るなよ」
「ぅ、うん…わか、た」
「タカヤ、聞こえてんだよ。俺なんかってどーゆー意味だよ」
「その通りの意味スけど」
「おっ前ホント可愛い気ねぇな」
「んなもんなくてケッコーです」
「行こうぜ廉」

オレは見せ付けるように廉の肩を抱いて歩いた。内心嫌がられないかバクバクだったけど。

「廉、どっか寄ってくか?」
「う?」
「いや、ファミレスとかコンビニとか。暑ちーしどっか涼めるトコがいいだろ?タカヤがうるせーし」
「あ、あの、あ、う、じゃあ、お、オレ、オレ、オレん家…に」
「オレん家って…廉の家ってコトか?」

コクコクと頷く廉。

「お、親、今日帰‥りお、遅い…んで…フヒ」

え…おぃおぃ、これってもしかして誘ってんのか?!

「ぅ…は、るなサン?」
「あ?」
「あ、か、顔赤‥い‥」
「な、何でもねぇ気にすんな!今日は特別暑ちーからな!」
「ぅ…?」

ヤッベーヤッベー!
今かなりヤバイトコまで想像しちまったじゃねぇか!
いやでも家に来い+親不在って…そういうコトだよな。

「んじゃお前ン家邪魔するわ」
「は、はい!ぁ、こ、コッチ…です」
「おぅ」

チラと廉の手を見た。
よし、いい感じだ。
この距離からギュッと繋いで‥

「ぁ…は、榛名、サン」

バッ

「な、ななな何だよ?」

お前絶妙のタイミングで振り向くなよー!

「あ、の、あ、ア、アイス…好きです、か?」
「お、おぅ。好きだけど?」
「フヒ…あ、家に、あるんで…いっ、一緒に…」

あーもー可愛いな!
チクショー!!

「……で、結局家行っても何も出来なかったんだ?ヘタレだねー、榛名」
「ばっ…しょ、しょーがねーだろ?!押し倒したら腹鳴ってお腹空いたとか言いやがるし」
「あぁ、タイミングの神様に見放されたんだね。とことんヘタレだねー、榛名」
「うっせぇ!しばくぞ秋丸!!」

ンなコト俺が一番分かってるっつの。

END
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