夕焼け色の小説
□ワガママ王子サマ
1ページ/2ページ
夏も終わり、蝉のうるさい鳴き声を聞かなくてもいい時期になった。
ベルは自室に1人、ベッドに寝転びながら旅行のパンフレットなどを広げている。
「ん〜・・・」
ベルは読んでいたパンフレットを、見あきたように投げ捨てた。
「鮫と旅行もいいかとおもったけど・・・
なんかなー・・・」
ベルは今、ひそかにスクアーロをデートに誘うために、何処へ行こうかと考えていた。
「どこがいいかなー王子的には日本がいいけどー・・・」
しばらく自室をうろうろしていると、1枚の広告が目に入った。
綱吉からベルに贈られた、日本のものだった。
「あ・・・・」
広告を掴むと、ベルの口に嬉しそうな笑みがうかぶ。
「しししっ きーめたっ!」
ドアを思いっきり開けて、スクアーロの自室に飛び込んだ。
「スクアーロぉ いるー?」
「何だぁ・・・」
突然部屋に入ってきたベルに、不機嫌そうな顔を見せる。