夕焼け色の小説

□why?
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僕は君に優しくできていないらしい。
ー・・・でも
仕方のないことなんだよ?
だって君のことがー・・・

好きなんだからー・・・

「ねぇ、いつまでそうしてるつもり?」

いらだった口調で、綱吉を責める。
綱吉は雲雀に怯えてうつむく。

こうなったのも、君のせいだよ。
君が草食動物達とばかり、楽しそうに話しているからー・・・。
僕が妬いちゃったんだ。
嫉妬深いのに、君が僕の目の前でそんなことするからー・・・。

「いい加減に、僕も限界なんだけど。
気長じゃないことくらい、分かるでしょ?」
「ごめ・・・なさ・・・っ」

綱吉の態度に余計にイラッとし、雲雀はトンファーを綱吉の首に押し付けた。

「謝れば済むと思ってる?」
「そんなこと思ってな・・・っ」
「じゃあ何で僕の目の前であんなに楽しそうに話してたんだよ!」

怒りに身を任せて、振り下ろしたトンファーが壁に叩きつけられる。
壁にはひびが入り、雲雀の怒りの大きさをよく表していた。

「僕の前では怖がったりしてるくせに!
僕ら恋人でしょ!?
僕のことそんなに嫌いなの!?
ねぇ、答えなよ!!!」

怒りをあらわにしている雲雀を前に、何も言えなくなってしまう。
そしてー・・・

ポタ・・・

水の落ちる音がした。
はっとなり、綱吉の顔を見る雲雀。
ぽろぽろと、涙を流していた。

「ごめん・・・っなさいぃ・・・」

ズキー・・・

別に傷つけようとしたわけじゃないのにー・・・
泣かせたかったわけじゃないのにー・・・

「・・・・・っ」
「あ・・・っつ・・・
綱吉ッッ!!!」

綱吉は雲雀を振りほどき、応接室を飛び出した。

「・・・・何・・・してんだろ・・・
僕・・・っ」

顔を手で覆い、うずくまる。

「・・・っばか・・・っ
僕のばか・・・っ」

追いかける気に、なれなかった。
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