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□お菓子な訪問者4
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朝、目を開けた私の視界に一番最初に飛び込んできたのは、すとんと平らな胸板だった。
「えっ……!?」
驚いて跳ね起きようとしたけど、その人の腕に抱きしめられていて身じろぎしかできない。
でも、そのせいで腕が微かに緩み、ようやく間近で相手の顔が見えた。
「き……きゃーーー!!!」
思わず大声で叫んだら、頭が割れそうにガンガンした。
ったぁー……
痛みに泣きそうになるけど、今は泣いてる場合じゃない。
なんで私、ジャックと寝てるの…?
しかもどうしてこいつは裸なの?
きれいな筋肉がついた胸や広い肩、それに引き締まった腕にどきどきして顔が火照る。
こんなに間近で男の人の裸を見たのは初めてだ。
思わずゴクリと喉が鳴った。
さらに上に視線を移すと、無防備で綺麗な彼の寝顔。
そこに窓から差し込む朝の光があたって、まるでどこかの王子様みたいにキラキラ神々しく輝いている。
か、かっこいい……
どうしよう…なんかすごくドキドキする……。
見とれてしまって彼から目が離せない。
しばらくぼーっとして、私はようやく我に返った。
呆けてる場合か。
それよりも、この状況。
まさか、昨日ジャックとエッチしちゃった〜なんてことはないよね?
おそるおそる布団の中を覗いたら、彼がちゃんとズボンをはいていたのでほっとする。
わたしもちゃんとパジャマを着てるし、体もいつもとかわったところはない。
うん。大丈夫。
でも、 じゃあなんでこんなことになってるの?
昨日の夜、ジャックの恋人にされてケーキでお祝い(?)したとこまでは覚えてる。
でも、それから先の記憶が・・・ない。