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□お菓子な訪問者2
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マンションを出ると、空気がひんやりとしてて、頭が冷えて気持ちよかった。
空を見上げると、細い細い三日月が薄い雲の膜を通して光っている。
今日は空が曇ってて、いつもよりなんだか薄暗いなぁ。
でも、会社帰りの女の人や犬の散歩をしている人が歩いてるし、通り魔に襲われることはなさそう。
私はちょっと安心して、仄かな街灯に照らされた薄暗い夜の道を歩いた。
コンビニにつき、デザートと他にいくつか買い物をしてから店をでる。
来るときは何人か人が歩いてたのに、帰りは誰もいない…。
思わずブルッと身震いがして、マンションまでの道を急ぎ足で帰る。
コツコツコツ…
ザッザッザッ…
ふと、私と同じ速さで後ろから誰かがついてくるのに気づいた。
まさか、通り魔!?
足を速めたら、ついてくる足音も速くなる。
なんだろ…………。
怖いけど、思い切って後ろを振り返ってみた。
っ……!!
なんだ…子どもか…。
通り魔じゃないとわかり、ほっと胸を撫で下ろす。
後ろにいたのは、私と同じくらいの身長で、キャップをかぶり鞄を肩から斜めに掛けた中学生くらいの男の子だった。