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□水玉ピンク
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次の時間は隣のクラスと合同の体育だった。

『あ!
あいつ……。
隣のクラスだったのか…』

晶はふと、隣のクラスの女子の集団の中にさっきの女の子を見つけ、しばらくじっと見ていた。

『やっぱり、綺麗な脚だよな…。
背も結構高いし、スタイルもいいな……。』

全体的に細身だが、胸はけっこうある。
腰は細くて、やはり短パンからすらりと伸びた脚が一番印象的で綺麗だ。
晶の視線がそこに釘付けになる。

しばらく深華に見とれていると、友達に気づかれてひやかされた。

「晶〜誰見てんの〜?」

「……あいつ。
なんてやつか知ってるか?」

「え?…相田さん?
あのスタイルいい子でしょ?
相田深華(あいだみか)って子だよ」

「…ふぅん」

「なになに?
珍しいね。
晶が一人の女の子のことじーっと見てるなんて」

「別に……」

ピー!!

話している途中で笛が鳴った。
晶達は話をやめてコートに向かい、バスケットの試合が始まる。

晶の味方側のボールで、相手ゴールへと攻める。

晶が走りながらもう一度深華に目を戻すと、彼女はバレーボールの試合中だった。
ちょうど深華が、晶のクラスの女子のコートに、ジャンプから鮮やかなスパイクを決めた。

晶は試合中だというのに、また深華に見とれてしまう。

「あきら!」

不意に、友達によばれて振り返り、パスされたボールを受け取る。
ゴールまでは距離があったが、その場から楽々3ポイントシュートを決めた。

それを観ていた女子からは歓声があがる。

その歓声のする方を振り向くと、ちょっと離れたところで深華が晶のことをみていた。

一瞬目が合って二人の間の時間が止まる。

でもすぐに深華は真っ赤になって顔をそらした。

それは晶にとっては見慣れた光景だった。

『なんだ…。
あいつ…もしかして、俺のこと好きなの?
さっきはあんな態度とったくせに…』

晶は女の子からの熱い視線には慣れている。

『でも、この胸のはしゃぎようは…ちょっといつもと違う。
あいつが俺のことを好きだったら…』

想像すると、胸が高鳴ってワクワクしてきた。

彼女の綺麗な脚。
そして、頬にくらった平手打ち。
彼女のあの気の強さが、なぜか気に入ってしまった。

『なんだか楽しくなってきた。
どうやって話しかけようか…』

晶はこれからのことを考えて、一人楽しい想像にふけった。
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