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□私の隣
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私のこと、嫌いになっちゃったのかな…。

私は昔から、優しい央太が大好きなのに…。

英語の訳を写す手を止めて、じっと央太を見ていると、央太がこっちを向いた。

「なに?
なんかわからないとこでもあった?」

「えっと…ここは…?」

私は適当にごまかした。

「ああ。これはね………」

央太は、丁寧に説明してくれる。

央太って、意外とまつげ長いよね〜。
髪の毛サラサラ。
あ、アホ毛見つけた!
かわいい〜。

「奈々ちゃん。
…ちゃんと聞いてる?」

私が全然聞いていないので、央太が怒る。

「え?あ〜うん。
ごめん聞いてなかった。
ははは…。
もう一度お願い」

「もう。だからね……」



やばいやばい。
ちゃんと集中しなくっちゃ。
私は一生懸命、説明を聞いた。




「……終わりっと。
あ〜疲れたぁ。」

私は両手を上げて伸びをした。

「よく考えたらわかるんだから、今度からはちゃんと自分でやりなよ」

「は〜い」

私は適当に返事をする。

「じゃあ、俺今からお風呂入るから。
またね。」

「え〜。
まだ8時じゃない。
最近、全然央太としゃべってないし、久しぶりにゆっくりしてってもいいでしょ?」

「だめ。」

「え〜!
央太、最近冷たいよ〜。
私のこと嫌いになったの?」

「別にそういう訳じゃなくて…」

「じゃあなんで?
学校でも、そうやってすぐ私から離れようとするじゃん!」

「奈々ちゃんと一緒にいると、つきあってるとか、勝手に色々誤解されるから」

「別に、誤解する奴には勝手に誤解させとけばいいじゃん。
そんなこと気にするなんてバカみたい」

ハッ!!

「もしかして央太…誰か好きな子いるの?」

央太がパッと赤くなった。

え…マジ???

ガーン…!!!
いきなり、頭を石で殴られたみたいなショック。

「誰?クラスの子???
応援するから、教えてよ」

嘘だった。
応援なんか、できない。
でも、央太の好きな子がだれなのか、気になって仕方なかった。

私は内心ドキドキだった。
央太の好きな子って…
もしかして……私とか…

「……奈々ちゃんには関係ない」

央太は低く冷たい声で言った。

「え………?」

「…俺のことは、もうほっといてよ。
いつまでも小さな子どものままじゃないんだから」

「……央太?」

「もう帰って。」

央太は私を無理やり窓の外に押し出して、鍵をかけてしまった。
私を拒絶するように、シャッとカーテンが引かれる。


私は、あまりのショックに、しばらく呆然とベランダに立ち尽くしていた。
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