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□俺の隣〜私の隣2〜
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俺は、そ〜っと奈々ちゃんに手を伸ばし、頭を何度か撫でてみた。

奈々ちゃんは、寝息を立ててぐっすり眠っている。

そのまま今度は、ほっぺたのなめらかな感触を確かめてから、人差し指でつんつんと唇をつついてみた。

奈々ちゃんのぷっくりふくらんだ赤い唇が、ちょこっとだけ開いている。
そこからもれる、規則正しい温かな吐息………。

このままキスしたら、起きるのかな?

試しにそっと、顔を近づけてみた。
奈々ちゃんの吐息が、俺の唇にあたる。

目を閉じてると、いつもよりも幼く見えるなぁ。
子どものようなあどけない顔で眠っている彼女に、自然と笑みがこぼれる。

俺はそんな彼女をしばらく見つめてから、ゆっくりと顔を近づけていった。
唇が、後少しで触れる…

その時、奈々ちゃんの手がぴくっと動いて、ゆっくりと瞳が開く。

「…………………」

奈々ちゃんは、まだ覚醒していないのか、至近距離の俺の顔をぼーっと見ている。

「……………おはよう……奈々ちゃん………」

俺は内心焦りながらも、さわやかに笑ってごまかした。

「………央…太?
今………なにを………」

「ん?」

「『ん?』……じゃない!
今、キスしてたでしょ〜!」

あ、やっと覚醒したね。

奈々ちゃんは口を抑えて真っ赤になってる。

「キス?してないよ?」

「……じゃあ、なんでこんな目の前にいるのよ!」

「キスしようと思ったから。
でも、未遂だよ?
後少し寝てたらできたのに、残念」

「!!
…央太のエッチ!」

「…男はみんなエッチだよ?」

「うぅ………開き直るな〜!!!」

「ははは」

奈々ちゃんは真っ赤な顔で怒ってる。
それがかわいくて、もっといじめたくなってしまった。

「あ、いいこと思いついた。
これから毎朝、キスして起こすのはどうかな?」

「なにいってんの!
もう!
バカバカ!!
エッチ!!!」

「嫌なら、俺がくる前に起きればいいんだよ」

「…………。
絶対、起きるもん!!」

ますます赤くなった顔で奈々ちゃんは宣言した。

月曜日が、ちょっと楽しみだ。
キスでおこすというのは、半分冗談で言ったけど、もう半分は本気だった。
たぶん奈々ちゃんは、キスされないように一生懸命早く起きるんだろうけど。
俺は、そんな奈々ちゃんを想像して、ちょっとへこんだ…。
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