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□お菓子な訪問者2
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近ごろこのあたりでは、通り魔事件が続いている。
夜中に女の人が一人で歩いていたら、ナイフを持った背の高い黒ずくめの男に襲われて、お金を盗られたという被害が3件も起きていた。
どれも犯行がにてるから、たぶん同一犯のしわざだろうと近所の人はうわさしてるけど…。

まさか、あいつじゃないよね…?

背が高くて黒ずくめという犯人の特徴が、あいつを思い起こさせる。

まさかね………。

…いや。
あいつはきっとお金なんかとったりしない。

たった一回会っただけなのに、何故だかそんな気がした。

やるとしたら、婦女暴行とか猥褻罪とかだろうな……。
前科あるし。

ふいに、悪戯っぽく笑うあいつの顔が脳裏に浮かんできて、慌ててまた頭を振って追い払った。

あの日から、気を抜くとあいつの顔が浮かんでくる。
しかも恥ずかしいHシーン込みで…。

別に私、欲求不満とかじゃないよね?

…………………………。
彼氏…つくろうかなぁ。


再び気持ちを切り替えて、テレビに目を向ける。

通り魔は怖いけど、コンビニまではたった5分の距離だし、まだ8時前で人通りもあるだろうし…大丈夫だよね?

結局私は甘いものの欲求に負けて、上着を着て外へ出た。
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