書庫
□サンタさんの恋人
2ページ/27ページ
私はワクワクドキドキしながら、トナカイの部屋のドアを叩いた。
コンコン
「カイ?
そろそろ時間だよ〜」
呼びかけるが、返事がない。
いないのかな?
失礼してドアをそっと開けてみると、カイはふかふかの干し草のベッドで気持ち良さそうに眠っていた。
「カイ。そろそろ起きないと、出かける時間だよ?」
「くか―………」
「今日は私たちの初出勤だよ。
子どもたちが待ってるよ!」
「すぴ―………」
「カイってばぁ……(泣)」
「ぐ―…………」
ダメだ………。
カイは一度眠ると全然起きてくれなくて、今まで私がどんなに呼んでも起きてくれた試しはなかった。
困ったな…。
「……………………もう。
本当に間に合わなくなっちゃうよ〜。
今日は初出勤なのに…。」
何度か呼びかけても一向に起きる気配はなく、私は仕方なくカイの部屋を後にした。