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□アルバム〜私の隣3〜
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「これ、俺のアルバム?」

「そうよ。懐かしいでしょう?ほら、これ、初めて会った日よ。あんたと奈々ちゃんが手をつないで寝てるところを美奈子さんが撮ってくれたのよ。(奈々ちゃんのお母さんは美奈子さんという)かわいいでしょ?」

「…………………。」

「…………………。」

二人とも無言で写真に目を落とした。

それは、俺と奈々ちゃんが仲良く手をつないで昼寝をしている写真だった。

うちがここに引っ越してきた日か…。
懐かしいな…。

「央太と奈々ちゃん、出会ったその日からすぐ仲良くなって、毎日二人で遊んでたのよね〜」

そうだっけ……?
たしか…………

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お隣に引っ越してきました山本です。どうぞよろしくお願いします。」

「木下です。こちらこそよろしくお願いします。なにかありましたら、いつでもいってくださいね。
ほら奈々。央太くんだって。奈々と同じ4才よ。こんにちはして?」

「こんにちは!」

女の子が大きな声で元気よく挨拶してきた。

「ほら。央太も」

「…………………。」

俺は恥ずかしくて母さんの後ろにパッと隠れた。

「…………おいでよ。一緒に遊ぼう?」

その子は隠れてる俺の腕をぐいぐい引っ張る。
俺は必死に母さんにしがみついて離されまいと踏ん張った。
すると、女の子はむきになってますます強く腕を引っ張って、ついに………

「ぅあ〜ん!痛いよ〜!」

俺は泣き出してしまった。

「こら、奈々!もっと優しくしないとだめっていつも言ってるでしょ?」

「いいんですよ。それくらい。奈々ちゃん、その調子で央太をどんどん鍛えてくれる?」

母さんがそんなことを言うもんだから、女の子はますます調子にのった。

その子は無理やり俺の手をつかむと、二階の部屋へ連れて行った。

「ここ私の部屋だよ。私なな!あんたは、名前なんていうの?」

「…………………。」

「なに?聞こえないよ?」

「………………おうた」

「お〜た?変な名前〜」

「…………変じゃないもん……うっ……ぅわ〜ん!」

「………お〜たって泣き虫だね〜。男の子はそんなに泣いちゃいけないんだよ?」

「………ひっ………だって……ひっく……」

「そんなんじゃお友達できないよ?」

「…うっ……ふぇ〜っ……」

「もう、また泣いた〜。しょうがないなぁ。ほら、泣かない泣かない…」

ななちゃんは自分の服で俺の顔をゴシゴシこすった。

「私がお友達になってあげるから。もう泣かないの」

「………………ぅん。」

俺はこくんと頷いた。

「じゃあ、なにして遊ぼうか?キュリプアごっこする?」

「…………なにそれ?」

「んっとね、ハートアターック!ってするの」

ガツンと頭を叩かれた。

「痛いよ〜!そんな遊びしない〜」

「え〜じゃあ、なにがいいの?」

「お絵かきとか絵本とか…」

「え〜。そんなのつまんない。じゃあおままごとしよっ?私お母さん。お〜たは赤ちゃんやってね?」

「ええ?赤ちゃんなんてやだ…」

「いいでしょ?ほら。ご飯ですよ〜」

無理やりおままごとが始まった。

「はい。バブちゃんどうぞ、食べていいですよ〜」

「……パクパクパク」

俺は仕方なく食べるまねをする。

「はい。じゃあ、おもちゃで遊びましょ〜ね」

「………………。」

「バブバブって言うんだよ?」

「…バブバブ」

「じゃあ、もう寝る時間ですよ〜。ここに寝て?」

言われた通りゴロンと床に寝ころがると、バスタオルを掛けられた。


「はい。ちゃんと目をつむって、おやすみなさい」

バンバンとお腹を叩かれる。
痛い…。
なんて乱暴なんだ…。

仕方なく俺は眠ったふりをした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そしたら、本当に眠くなって、そのまま寝てしまったんだな。

なぜか写真では奈々ちゃんも一緒に眠っているけど…。
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