未来もその先も

□未来もその先も
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未来もその先も







大好きだとお前は言う。
それは、今も昔も変わらない。
転生……して現代。
やっとお前に会えただけでも嬉しいのに、相変わらず俺に大好きですと。
聞き飽きたなんて思わないが……


「おはようございます、リヴァイさん」
「……おはよう」
「リヴァイさん、昨日飲みすぎたみたいですから」
「…………あぁ」

思い出した。
夕べ、エルヴィンとハンジとで。
未だに、この二人と連む。
まぁ、会社がそうなんだが。

「余り作らなかったですけど…」
「いい……ツラ洗ってくる」
「……はい」


エレンを探してやっと出会って……無理に俺の部屋に住ませた。
エレンはエレンで一人暮らししてたらしいが、俺が………嫌だった。
散々心配させて迷惑かけて……
あの頃で嫌な思いするのはごめんだ。
最後は記憶に無い。
先にエレンが逝ったのか俺が先なのか。
どっちにしろ、約束していた。

『生まれ変わったら…絶対兵長を探します』
『んなもん、確実じゃねぇだろ……あのな、エレン』
『探します!オレ、兵長を見つける自信ありますからっ!』
『………どこからそんな自信がくる、巨人削ぐより難しいぞ』
『そんなのわかりませんよ……だって、オレ、こんなに兵長の事大好きですもん』

あの時、言わなかったが……
確実はどうであれ、もしかしたら俺もエレンを探して回るかもしれねえと。


おはようございますと毎日笑顔で言う。
不慣れだった料理は今じゃまともになった。
時に遅く帰ってくる俺に眠いくせに起きて待ってたり。
相変わらず泣き虫は治らない。
甘えん坊で、昔の話が出ると多少情緒不安定に。

「リヴァイさん、朝ご飯ちゃんと取らないと」
「いや……いい、今はいらねぇよ……会社行ったらなんかあるだろ」

でもと玄関までついてくる。

「それよりお前、ちゃんと学校行けよ……この前担任の野郎から電話来た……昔の事を思い出すなとは言わない、だがな……今、今ここで生きてんだろうが」
「……」

俯くエレンに思わず胸元掴んだ。

「自分が知らねえで情緒不安定で訳わかんねぇ話してるならまだいい……じゃねぇだろ、エレン」
「……はい」
「しっかり昔の記憶があって、そこらに居る野郎も元同期だろうが、そんな事知らねえ奴に不信に思われて見ろ……下手して捕まったら出てこれねぇかもしんねぇぞ」

見開き段々と涙目になる。
コイツにはちゃんと言っておかねぇと。

「俺と離れたいか」
「………嫌、だ」
「なら黙ってろ……余計な事ベラベラ学校で言ってんじゃねぇ」
「わかり、ました……」

俯いて泣くエレンを肩にうずめて頭を撫でた。

「……大丈夫だ、こうしてまたお前を見つけ出したからな……」
「はい……」
「もう二度と、お前を離さない……お前がどこ行こうとも」

なんの為に、わざわざ母国まで行って一緒になる手続きしたと思ってんだ。
好きだけじゃねぇから金かけてんだ。
ゆっくり離れたエレンは泣き顔で俺を見る。
……治せ、っても治らねぇか
涙拭い顔に手をやる。

「エレン」
「…はい」
「行ってくる」
「いってらっしゃい、リヴァイさん」

多少落ち着いたのか泣き笑顔になる不意打ちでキスしてやった。



男二人でアパート暮らし。
俺は会社員、エレンは高校生。
世間はなんだかんだと言ってるようだが、俺は……エレン離さない。
これが、俺達にとって当たり前だ。
そう、昔からの絆。
だから……



未来もその先もずっと…俺はエレンと生きていく────







End  2014/06/13up

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