未来もその先も

□空に広がった夢
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空に広がった夢



人の波は同じ方向に。
そんな人混みの中、リヴァイの手はエレンの手を握り。

「やっぱり、来るんじゃねぇな」
「そんな事いったって……リヴァイさんだってノリノリだったじゃないですか」
「こんな人が居るなんてしらねぇよ」

舌打ちしたリヴァイにエレンは苦笑いした。
会場につくまで、はぐれないようにと繋いだ手は汗で。
段々それが嫌になってきたのか離した。

「暑ぃ…」
「確かに」

気温に人の熱気。

「ひとまず何か飲みますか?」
「そうだな…」

周辺見渡すとエレンの目に入る露店。

「あ、リヴァイさん見つけました!」
「あ?」
「………あ」

リヴァイの身長に気がついたエレンは慌てて、リヴァイに待ってて下さいと走って行く。



見上げた夜空。
星が綺麗なその日。

『いつかは……平和になりますよね』
『いつか……か』

静かに見上げるリヴァイにエレンは少し悲しい顔をした。
見上げても、高くそびえ立った壁。

あの頃はそうだ…どこを見渡しても壁しか見えなかった。
今は違う。
高いのはビル。
見上げなきゃ星も気にしなく。

「リヴァイさん!」

両手にドリンク持ったエレンがリヴァイを見つけ戻ってくる。

「……また、人が増えて来ましたね」
「まぁな…そろそろ始まる頃だろ」

エレンから受け取ったリヴァイはドリンクに口をつける。

「どうします?一応、この場所でも見えるとは思いますが」
「………いい、ここでも」

少し陰になった場所は余り近くに人は居ない。


遠くから聞こえるアナウンスに静まり返った。
その数秒後………
のろしの後、一発目の大輪の花火。
その音にリヴァイとエレンは見上げた。

「オレ、初めてみたんですが綺麗ですね」
「そうか?俺は何回も……」

それがズルいと言うようにエレンはリヴァイの手を繋ぐ。

「これからは一緒ですよ」

少し照れくさそうに言ったエレンにリヴァイは繋がった手を引き寄せた。
目の前にあるリヴァイの顔にエレンは動けなく。

「リヴァイ…さん」
「目ぇ閉じろ」
「は……ぇ」
「素直に言うこと聞け」

聞こえてきた会話にリヴァイは舌打ちするとエレンに口付けした。

「……エレン」
「はい……」
「俺から離れたら許さねぇからな」
「……もちろん、です」
「じゃねぇと……お前を探した意味が無くなる」
「……はい」


夜空に輝く花火。
その真下で、リヴァイはエレンの手を握りしめた。






End  2014/07/06up

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