本〜オリジ〜

□返信
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好みも違う、趣味も違う。
血液型も違えば、誕生日も近くない。
正直、好みだなんて思ってなかった。
…思って…なかったのに…。



勉強中、ふとスマホに手を伸ばした。
電源を入れ、大好きな武将の画面をスワイプし、大好きなアニメキャラの画面に浮かぶ緑色のアイコンをタッチした。
表れた画面を上下に動かし、返信が無いのを確認して、また電源を落とす。

今、テレビでCMもやっている、チャットのようなその無料通話サービスは、既読になっている。
つまり、読んだのに返信を返してないということにだ。
私もそんなに返信が早い方じゃないけど、2日だぞ!?
2日も返信が来ないんだぞ!?
もしかしたら、話すのが嫌になったとか、私のこと嫌いだったとか、考えちゃうじゃないか!!!



“30歳まで、どっちも独身だったら、私が貰ってやるよ”
そう、冗談で言った私に、
“じゃあ…貰われてやるよ”
なんて、笑いながら返した彼に、少し心が揺れたなんて、バカらしくて言えやしない。
私は心のなかで、自惚れちゃいけないって決めている。
だって、こんなに歴女で腐ったもの好きで、男っぽい私なんて、誰も好きになるはずないんだから。
“墓の下に好きな人がいます”って、“刀を飲んでくれるひとと結婚したい”って、あながちウソじゃあないんだけど、少し、逃げのようなものがあって。



一緒に帰って、寄り道して、沢山喋って………それは、普通の友達ともすること。
気持ちを見せたら、皆離れていく。
昔から、そーいうふうに出来てるって、思っている。
だから、私は仲良くなっても言い出せない。
“男友達みたいで、話しやすいよ”
なんて、一番傷付く言葉を、私は笑顔で受け止める。
そんな恋しか、私は知らない。



ふいに、スマホの画面に明かりがついた。
急いで、確認をする。
一息もつかずに、返信の一文字を打って、手を止めて、消去する。
待っていたなんて、悟られないように。
焦らした、その仕返しに。
幸い、この画面では、既読はつけられない。
一時間くらいたって、もう一度、文を書き始めた。



メールじゃないけど、メールって、すぐ返しちゃダメだって。
内容には気をつけなきゃって。
気持ちをバラしたいけど、バラしたくないって。
だから、メール系は嫌いなんだって思うんだけど、キミからの返信は嫌いになれないんだ。
キミの行動や優しさは、勘違いしちゃダメだって分かってても勘違いしちゃう。
だからもう、勘違いしちゃっていい?
普通の女の子じゃない私だけど、キミが好きって言ってくれたら、私はきっと、その気持ちに答えるよ。
でもね、私からは言えないの。
でも、この言葉だけ、最後に伝えるね。
私の今言える、精一杯の素直な一言だから。


“返信が来るだけで、嬉しいよ”









ーーーーーー
あとがきですよ!
ナニコレですよ!!
こんな思い、してみたいですね。
いや、返信が来なくて、イライラしてるのは本当ですけど、こんなことしてません。
っていうか、私が2日止める犯人ッス。
…あーもう、文がバラバラ…泣きたい…。
っていうか、最後の文って、イヤミに聞こえる…かな?
うーん、分からん。

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