本〜オリジ〜

□廊下側の一番後ろのジミな私は、窓側の一番前のほぼ不登校の彼に恋をした。
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それから、さてまぁ、3ヶ月。
いつものように来ていない木曾君の空っぽな席を見つめてため息をついた。
あの笑顔が忘れられなくて、なんかドキドキして、木曾君と会うたびに噂とは違う彼に私は惹かれた。


教室にはあまり来ないけど、図書室には必ず来る木曾君。
私が委員会で遅くなっても夕寝をしたまま待ってくれてる木曾君。

私と一緒にいて笑ってくれるってことは、この気持ちが伝えられなくても一緒にいるくらいはいいってことかな。


そんな事をつらつら思って、また、ため息をつく。

ふと、何か喉が乾いたなぁと思って私はジュースを買いに立ち上がった。





「あれ、木曾君」

お気に入りのココアを買って、教室に帰る途中、登校中…(昼休みに?)なのだろうか、木曾君が歩いていて――

「え、ちょっ…!?」

何か、不良?とかいう人達に絡まれていた。

もし、噂を聞き付けて絡まれてるなら、木曾君は、皆の噂からかけ離れた人物だ。


「木曾君!!」

気付けば私は叫んでいて、

こっちを見て少し驚いた木曾君は、でも、すぐに不良の間をくぐって私の所に来て、


「ちょっ、き…木曾く!?」


もうスピードで私の手をひき、走っていた。
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