腐向けSS
□黒子のバスケ
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また逢えたのは【青黄】
雪の降るクリスマス。いわゆるホワイトクリスマス。遠くに見えた人影に足が止まる。
見覚えのある後ろ姿。オレの大好きで大嫌いな後ろ姿。
「どうした?」
センパイに呼ばれて現実に戻ってくる。
「何でもないっスよー?」
なんて言ってはみたけどきっとバレバレ。
ふうん。と流してくれたのは、きっとセンパイの優しさ。
進めばまた視界に入るその姿。
横にいるのは……桃っちかな。
なら、仕方ないか。幼馴染みだからって言ってたけど、オレには誰よりもお似合いに見えた。
「……おら、こっち行くぞ」
予定と違う方に引っ張られる。
「えっ、違っ?」
「るっせー。黙って来い。本当見てらんねぇ」
人の気も知らないでって呟いた。
ごめんねセンパイ。でも、オレは……
「埋め合わせはちゃんとするっスから!」
気付けばそう叫んで走り出していた。
大好きだった。今でも大好きなあの人の元へ。