企画

□アイ番外 文字を覚えよう。
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『と、いうわけで。キルア君、あいうえおの表を書いて』





「意味わかんねぇし。大体、さっき絵本渡したろ?ぷっ」






そんな生意気を言うキルアに拳骨を落とした。いって!と頭を抑えるキルアは何すんだよ、と睨んできた。





『何でも良いから早くしろ』






トントンと机を叩いてオレの前の席に座るように促す。







キルアは渋々といったふうに椅子に座り頬杖をついた。






はい、とペンを渡す。それをめんどくさそうに受け取り、置いてあった紙にサラサラと表を書いていく。








直ぐに書き終わったのか、ペンを投げだしてそのまま机にうなだれた。







『サンキュ』







紙を自分の前まで引っ張り眺めてみる。







……もうぜんっぜんわかんない。…取り敢えず書いて覚えるか。










その後一時間ぐらい書き続けたが、一向に覚えられず、ぐしゃぐしゃになった紙が床に転がり、当の本人は机に突っ伏して頭から煙を出していたのは言うまでもないだろう。







「あっ、てめ!せっかくオレが書いてやったのに!」



『……も、無理』





ぐしゃぐしゃの紙を拾い上げたキルアは、そんなオレを見て今までで一番長いため息を吐いたのであった。







 

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