two dimensions traveler

□1ワ:運命の悪戯
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旅行当日の朝。

時刻はAM06:05
永稲蜜稀は、いつもより大分早く目が覚めたので、何十回目かの持ち物検査をしていた。

『えーと‥今日のは着てくんだから、明日から三日分の着替え‥入れたね。パジャマが色違いデザイン違いで三着‥入ってる。下着も三セット入れたし、バスタオル三枚‥OK。普通のタオル六枚‥‥は入れたね。ハンカチは一枚は手持ちの荷物で三枚がこっちに入ってる。あと、歯磨きセット・メイク落とし・洗顔・シャンプー・トリートメント・コンディショナー・ボディソープ・化粧ポーチ‥‥‥旅行バックはこんなもんかなぁ〜。デュラララの二巻と三巻は別でメイトの袋にスタンバってるし、後は手持ちの荷物は、携帯と充電器と財布とコンパクトとパスケースと手帳だけでいいよね!!』
コンコン

『?─はい、どうぞ』

ガチャッ

中「蜜稀、もう起きてるんだ?珍しく早いね」

『あぁ、タダシ兄ィか。てか、タダシ兄ィ!珍しくは余計だよ!!』

蜜稀はプーッと頬を膨らました

中「あははwwwごめんごめんwwwでも、本当に今日は早起きだね?」

『うん(^_^)だって、つき達との初めての旅行だもん♪』

兄の言葉に、蜜稀は楽しそうに満面の笑みで答える。

『てか、そう言うタダシ兄ィも早起きだよね?もしかして、徹夜明け?』

医者である、兄永稲中は夜勤だったり、医学会で発表するレポートの作成等で、徹夜をする事が暫暫あった

中「ぅん‥まあ、そんな所かな?;はははっ」

『ふーん』

徹夜をする事は暫暫あったが、
今日のは本当は違う

蜜稀が出発する日であるが故に心配で
目が覚めてしまったのだ

中「そうだ、蜜稀!!荷物の中に、これも入れて行きな」

『これ、救急‥箱?』

そう。
中が差し出したのは、家庭用の三分の一の大きさの救急箱

中「うん。怪我したり旅先で病気したりしたら困るだろ?蜜稀がいつも使ってる奴入ってるから」


蜜稀は救急箱を開けて見る

そこに入っていた薬は
内用薬も外用薬も、どれもこれも
いつも蜜稀が使っている物と同じ薬

『よく、同じ薬あったね?‥ってアレ?』

蜜稀が最後に熱を出したのは一年近く前で腹痛をしたのは半年以上前
なのに、この薬達に印字されている製造年月日は、つい最近。
熱冷ましなんて、先週の日付になっていた。


『もしかして、タダシ兄ィ…わざわざ取りに行ってきてくれたの?』

中「ぃや;そのぉ〜・‥うん‥昨日ね;」

『ありがと(^_^)じゃあ、これ遠慮なく持って行くね』
蜜稀は鞄の中に救急箱をしまった。

中「ねぇ、蜜稀?」

『なぁに?』

中「気を付けて行っておいで」

『うん!』

蜜稀の返事に満足したのか、タダシは満面の笑みを浮かべ部屋から出ていった。

──AM6:27

『そろそろ出かける準備しようかな』

洗面所に行き顔を洗い歯磨きをして、今まで着ていた寝間着から用意してあった服にと着替えると、鏡台の前に座り入念に化粧をする。
それはもう、時間を掛け詐欺なくらい人相が変わるまで入念に!!

髪型を整えれば、はい!!
おイヒ☆○=(-_-o
‥‥ちょ;‥超絶美少女(?)‥の出来上がり?

えっ?今、お化けって言おうとしなかったかって?

たたたた多分、きき気の所為じゃないですか(゜д゜;)
べ、別に蜜稀さんにパンチくらって黙らされた訳じゃないですよ!!
いや本当ですから嘘じゃないですって;;

肌は青白過ぎず赤黒過ぎずいい感じで、眉は吊り上がり過ぎず吊り下がり過ぎず形も細さも良い感じで目は上も下もインサイドラインもシッカリラインが入りマスカラで上下睫もバッチリ

『良しっ!!完璧♪』

──AM7:12

『そろそろ出るかな』

部屋を出ると

保冷バックを持ったチロ兄ィとバッタリ

『おはよう♪チロ兄ィ』

智「おはよう蜜稀。もう出るのか?」

『うん!チロ兄ィはどうしたの?』

智「これ!蜜稀に渡そうと思って」

チロ兄ィが差し出したのは保冷バック

『?─コレ、なぁに?保冷バック??』

智「プリンだよ(^_^)スプーンも入れてあるから、後で逸稀ちゃん達と食べな」

『えっ、プリン?!わーありがとう(≧▽≦)』

智「どういたしまして♪喜んで貰えて何よりだよ」

『でも、チロ兄ィ私の為にワザワザ作ってくれたんだよね?なんかゴメンね?プリンって蒸したり冷やしたり結構手間かかるのに』

智「どうって事ないさ!昨日の内に作って冷蔵庫で冷やしておいたから。それに、蜜稀が喜んでくれるなら何だって苦労じゃないさ」

そういってチロ兄ィが微笑んだ

『ありがとう。チロ兄ィ♪』

智「それより、蜜稀‥‥その格好で行くのか?」

『うん!そうだよ?』

智「心配だなぁ‥‥」

『何が?』

智「ぃや、逸稀ちゃん達もいるから大丈夫だとは思うけど、変な男が近づいきても着いて行っちゃダメだぞ」

『心配しないでwww着いて行くなんて先ずないからwww』

智「でも、誘拐とか‥‥やっぱり心配だなぁ」

『チロ兄ィ(^_^;)心配し過ぎwww大丈夫だって信用してよ』

そこに、出かける格好をしたダイ兄ィが現れた

『アレ?ダイ兄ィ、どうしたの?どっか行くの?』

大「ぃや、‥‥‥蜜稀、その格好で行く気か?」

『そうだよ?ってかダイ兄ィ、チロ兄ィと同じ質問してるしwww』

大「だってなぁ?智裕」

智「うん。」

『何?私、そんなに変な格好してる?』

智「変な格好じゃないけど‥‥‥」

大「蜜稀が化粧してるの珍しいな…なんか露出もいつもより多い気がするし」

『???───やっぱり変なの?』

智「ぃや、変なんかじゃない!!可愛いよ?」

『そう。よかった♪』

大・智「「心配だなぁ〜」」

『だから、何で?』

大「‥‥‥ぃや、良い。」

『???』

大「それより、蜜稀。もう出るのか?」

『うん。そろそろ行こうと思ってるけど?』

大「そうか。じゃ、車で送ってやる。」

『えっ、本当?!良いの?』

大「ああ。勿論」

『わーい♪ダイ兄ィ、大好き☆』

中「何?もう出るの?」

ひょっこりと、タダシ兄ィが現れる

『うん。ダイ兄ィが車で送ってくれるらしいから♪』

中「そっか。気を付けてね」

智「いってらっしゃい」

『うん♪いってきます』

大「ん、じゃあ行くか」

『はーい♪』


あらかじめ出して置いた靴を履き出発

・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆・:

──AM7:28

歩きなら40分かかる道が、車だと10分でついた。

「ありがとっ☆ダイ兄ィ」

「おぅ。気を付けて行っておいで」

「うん。いってきます」

「帰りも迎えに来るから、こっち着いたら電話しろ」

「うん♪わかった☆」

──AM7:41


大きな白いネネちゃん人形(?)の前。

腕時計を眺める逸稀

蜜稀「つき〜♪おっはよぉ〜(≧∀≦)/~~」

逸稀「あ、おはようみぃ♪そろそろ来る頃かと思ったよ」

蜜稀「うん!!今日はダイ兄ィに車で送って貰った♪あれ?薫ちゃんは?まだ来てないの?」

逸稀「そうなの。珍しいよね?薫ちゃんって、いつも30分前には集合場所に来てるのに」

蜜稀「何かあったのかなぁ?」

と、その時

二人の目の前に、一台の車が静かに止まった。

そして、車内から降りてきたのは‥‥‥

みぃ&つき「!?!?薫ちゃん!!」

薫瑠「おはよう。二人とも」

薫瑠は何とも苦笑いを浮かべていた

蜜稀「どうしたの?薫ちゃん!!」

逸稀「健康思考の薫ちゃんが車で来るなんて何かあったの?」

薫瑠「え?あっ!!違うの〓心配させてゴメン!!実は、今日が楽しみ過ぎて昨日中々寝付けなくて‥寝坊したから兄さんに送ってもらったの///」

逸稀「えっ?お兄さんに?」

車の窓がウィーンと開いた

尚輝「やあ、二人とも☆久しぶりだね」

蜜稀「おはようございます♪」

逸稀「お久しぶりです」

尚輝「薫瑠が寝坊するなんて、余程君たちとの旅行が楽しみだったんだねwww」

薫瑠「狽ノ、兄さん?!」

尚輝「だって、遠足の前だってちゃんと寝てたじゃないか。それが、中々寝付けないなんて余程楽しみだったんだろうね?www」

薫瑠「////もう。兄さん」

尚輝「じゃぁ、俺は今日も勤務あるから もう行くね?二人とも、うちの妹を宜しく頼むよ。」

蜜稀「大丈夫☆薫ちゃんの事は、笹舟に乗ったつもりで私達にお任せ下さい♪」

逸稀「みぃ;笹舟には乗れないよ(^。^;)それを言うなら大船ね!!大船に乗ったつもりで、お任せ下さい」

蜜稀「あれ?まあ、どっちでも大差ないでしょ?笹舟でも泥舟でも」

逸稀「いや、大違いだから!!しかも、泥舟でもないから;大船だからね?泥舟沈むって;;てか、わざとやってない?」

蜜稀「いやいや、けしてわざとじゃないですよぉー至って真面目に言ってるから」

尚輝「ははっwww相変わらず面白いねぇ 二人とも」

逸稀「えっ?!私も?!」

尚輝「まあ、大船に乗ったつもりで任せるから宜しくね?薫瑠も沢山楽しんでおいで」

薫瑠「うん。ありがとう兄さん」

尚輝「じゃあね。もし良かったら帰りも迎え来るから電話ちょうだい」

薫瑠「解った。」

尚輝「じゃあね」

車の窓がウィーンと閉まり、ゆっくりと発進してから、走り去っていった

蜜稀「さてと!!んじゃまあ、行きますか!!」

逸稀「おーって、それは良いけど、みぃアンタそんなに沢山なに持ってきたの?」

薫瑠「みぃちゃん凄い荷物だね」

蜜稀「ああ、これ?色々だけど、コッチの保冷バックはプリンだよ♪チロ兄ィが三人で食べなさいって持たせてくれたんだ☆」

逸稀「チヒロさんお手製のプリン?!ヤッター♪私、チヒロさんのプリン大好き☆」

薫瑠「美味しいもんねぇ〜?みぃちゃんのお兄さんのプリン」

蜜稀「そう言って貰えると作ったチロ兄も持ってきた私も嬉しいよ♪さっ、行こう行こう」

逸稀「そうだね♪いざ東京に!!」

薫瑠「レッツ・ゴー♪」


この時の私達は、まだ知る統べもなかった。

この旅行が、とんでもない卒業旅行になってしまう事など‥‥‥‥‥‥
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