妄想行き

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「フクスケさんと兄弟で生まれたかった」

錆びついた自転車の、彼は運転席、オイラは荷台に座って夜の家路を辿る。

「何それー」
「別に」

「何となく」と口の中で呟き、彼の背中に頭を預けた。
吐き出した息は白いまま、オイラの真横を流れていく。

あなたと、何があっても離れられない絆が欲しい。
そんなことを考えてたら、無意識に声にのせていて。

「じゃーシャラクのが誕生日早いから、そっち兄貴だな!」
「…そうだね」
「おにーちゃーん」
「…やめてよ気持ち悪い」

そう返すオイラの声は笑っていて。
冷たい空気が少しだけ、心地良く思えた。

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