1day1story

□全身(後ろ姿)
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ふと目あけるとそこは暗闇だった。

起き上がって周りを見渡す。
すると快斗の後ろ姿を見つけた。

快斗は速歩きで歩いているらしく既に快斗と新一との距離は大分開いていて、新一が名前を呼んでも振り返ることもない。



「快斗っ!かいとっ!」



まるで新一が呼んでいることが聞こえていないかのようだ。

いくら走っても追い付くわけでもなく、
ひたすら歩いて行ってしまう快斗を必死に追い掛ける。

でも距離が一向に縮まらない。


そうこうしてどれくらい長い時間快斗を追いかけたのだろう。
時間さえも解らない真っ暗な空間で只々走り続けた。

もう快斗の後ろ姿は見えない。
それでも行かなきゃいけないという気持ちになる。

が、しかし身体は重たくなってきて新一は倒れた。





「‥ん‥‥っ!‥‥いち‥‥‥っ!」



誰かに呼ばれている。
身体が揺らされていて、何度も呼ばれているのが解る。

誰だろう。



「新一!起きて、新一!」



強く揺さぶられて、うっすらと開けた先に見えたのは見馴れた先ほどまで追いかけていた相手だった。



「‥‥‥‥?」

「あ〜、よかった!やっと目を覚ました!」

「快斗か?」

「何ゆってんの?俺だよ。」

「‥‥よかった‥‥‥」

「よかった?それより新一うなされてたんだよ?」



そう言われてあれは夢だったのかと理解した。
そして頭に鈍い痛みを感じる。



「頭‥‥痛い‥‥‥」

「んじゃ、薬持ってくるから。もう大丈夫だよ、新一」

「ん‥‥‥」



快斗が薬を持って戻ってくると新一は気持ち良さそうに寝ていた。



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