1day1story
□ピース
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天気のよい今日は朝からサッカーするぞ!と思って起きた新一は母、有希子に捕まった。
「あ、其処にいたのね〜!一緒に出かけるからこれ着て頂戴♪」
有希子の手に握られているのは女の子用のフリフリのワンピース。
後退るが意味なし。
ガシッと捕まえられて有希子の部屋へと連行されたのだった。
「かあさん‥‥‥なんか足スースーしてやだ‥‥‥」
「可愛いから大丈夫よ!しんちゃん!」
母の有希子のみがノリノリで新一はイマイチ気が進まないのだが話は勝手に進んで結局有希子と出かけることになった。
その後、有希子と行った場所で何人かの人に会ってご飯を食べた。
今は有希子が打ち合わせがあるらしく"公園で遊んでらっしゃい"と言われてサッカーボールを渡されたので公園にいる。
(スカートでサッカーとかしにくい‥‥‥)
. . .
「あれ、女の子なのにサッカーしてるの?」
「‥‥‥‥」
「ねぇねぇ‥‥」
肩をトントンっと叩かれて自分に声をかけられていたのだと思う。
. . .
女の子と言えばこの公園には自分しかいなかったことを忘れていた。
「‥‥‥なに‥‥」
「いやさ、女の子なのにスゴいなって!」
「これくらい‥‥ふつう。」
話かけてきたその男の子は1人のようで、
目がキラキラとしてる。
「あ!僕のてじなも見て!」
「???」
新一が返事をする前にその男の子は手品をし始める。
「1、2、3!」
すると、その男の子の帽子から白い鳩が1匹。
「!!、スゴい!」
「本当?!」
「ぅん!」
それから、母の有希子が来るまでの間手品を見せてもらっていた新一だった。
「新一ーっ!」
「あ、かあさん!」
「1人じゃなかったの?」
「てじな見せてもらってた!」
「こ、こんにちわ!」
「そうだ!写真とりましょ?」
そう言った有希子の言葉により写真を撮って帰ったのだった。
「懐かしー写真。」
新一の手には昔小さい頃に無理やり女装させられた新一とたまたま手品を見せてくれた少年とのピース写真である。
机の引き出しを掃除していたら出できたものだ。
「何持ってんのー?新一〜」
「内緒。」
そうして再び引き出しに写真を戻した。
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