1day1story
□唇に人差し指
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暗闇で後ろからガッと引き寄せられた。
(誰だ?!)
ここで声を出して反抗すると危険だと思った新一は相手が次にどう出るか様子を窺う。
「反応がないなんて珍しいですね〜、名探偵」
耳元て少し低めの声が囁かれた。
聞き覚えのある声、名探偵と言うのはアイツしかいない。
それは怪盗キッド。
盗んだものは数知れず‥‥‥‥
「んーっ、んーっ!」
口を抑えられていて声が出せず、唸る。
意外なことにその手はすぐ離れた。
「てめぇっ!」
「シーーーっ」
文句を言おうとしたらキッドは唇に人差し指を当てて"静かに、"と言った。
何をしても絵になる彼に苛つきを感じながら新一はキッドを睨む。
一方、怪盗はその会場から手を引いて名探偵を攫(つ)れていってしまったのだった。
2011/10/17(MON) 01:08
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