NARUTO部屋

□短文詰め2
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肩から掛けたそれに…大刀と揃いで奪ったベルトに、ついと指を這わせる。
何の気なしにとった行動だが、彼には気に掛かったらしい。

「…気になるのか?」

年の解らない容貌を少し歪めて、お前さえ良ければ合った物に新調させようかと、酷く気軽に一介の部下を特別扱いしてくる。
この身にはそれが、どうにも擽ったい。

「…ご心配には及びませんよ」

少し丈の余るその品は、受け継がれてきた忍刀とは違う。あの人が用いてきた、あの人の物。
あの人の命と共に、私が奪った物の一つ。
身に合った物と言うならば、業の深い自分にはこれ以上無く似合いの品だ。

「これが良いんです。これが、一番良いんですよ」

私の殺した貴方の物で。裏切った里の品を繋いで、背負って。
今日も私は誰かから、何かを奪って生きていく。


『這わせる』『ベルト』
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