NARUTO部屋

□短文詰め2
5ページ/9ページ


「…まるで愛人か、連れ合いのようだな」

出立を前に身支度を整えられながらふと、思い浮かんだ事が口から出ていたらしい。
あれをこれをと頼めば、慣れた手付きで忍具が取り出されては渡され、衣服がしまわれ、外套が着せかけられていく。それに感心しての事だったのだが、言葉を間違えただろうか。
言われた部下はといえば、ぽかんとした表情で固まっている。一笑に付すかと思いきや、身を屈め、指先にすいと口付けられた。

「…いってらっしゃいませ」

無事のお帰りをお待ちしていますとは、またいじらしいことを。

悪戯っぽく見上げてくる部下の髪をくしゃりと撫でて、男はくすりと一つ笑った。


『取り出す』『服』『慣れた手付きで』
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ