ユウの小説
□慈愛、それに準ずる狂喜
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※「愛、もしくは狂気」の燐バージョンです。続き?
燐が狂ってます。
あまりに暗いのでおまけ(ギャグ)もつけてしまいました…。
「…雪男、」
暗闇の中、隣から穏やかな寝息が聞こえる。
暗さに目が慣れた俺は、雪男の髪を梳くように撫でた。
―『嫌だ。兄さん。…死なないで。僕の側から、いなくならないで…』―
それは、今にも泣き出しそうな子供の顔だった。
今では教師と言っても、ずっと皆に弟として可愛がられてきたのだ。やはりまだ幼さは残るのだなと感慨に耽る。
そしてその姿を思いだして俺は、思わず笑みが零れた。
「あは、」
眠っている雪男を見つめる。
「本当に…。」
本当に。
本当に。
本当に!
あぁ、なんて愛おしい、なんて可哀相な子だろうか!
もっと歪めばいい。
もっと狂えばいい。
もっと。
俺が雪男の全てとなるように。
だけど、まだ足りない。
グダグダに甘やかしてあげる。
そうして、一度だけ放り出してあげる。
なぁ、その時。
オマエはどんな感情を抱くんだろう?
楽しみだなぁ。
理性なんか棄ててくれよ。
早く、こっちに。
「だってもう、俺の世界はお前だけなんだから、」
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