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□お邪魔します。
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「あの!髪上げててサングラス掛けててストライプスーツでピンクのYシャツの前を凄く開けている幽霊のお兄さん!!」

「…あ、あんた俺のことが見えるのか!?」

そこまで特徴を限定して「幽霊の」とまで来たら俺しかいないだろう。
久々に人と話せる…!と思うと嬉しくなって思わずグイっと目の前の女の子に近づいてしまった。

「は、はい…私、その…霊感が昔から強くて…」

「そ、そうなのか…!」

昔は霊感があるだのなんだのっていうのは非科学的過ぎて信じる気なんてなかったが
今は信じられる。霊感は存在する…!!
ジーンと感動をかみ締めているとまたおどおどと話しかけられた。

「お兄さん、我が家に何か用ですか…?」

「…は?」

我が家って…どこだここ?気付いたら知っている道から大分それて住宅街に出てしまった…のか?

「さっきから家の前でずっと唸ってらっしゃったので何かあったのかと…」

「…話、聞いてくれるか?」

しばらく人と話していなかったせいか、凄く誰かと話をしたい。
彼女にいってどうこうなる問題ではないんだろうが、とにかく話を聞いてほしい。

「構いませんよ。立ち話もあれなので、家に上がってって下さい」

ニコッと笑ってそう言うと、彼女は辺りをサッと見回して家にそそくさと上がっていった。
…そうか、他の人からは俺の姿は見えないんだった。
大きい声を出さしてしまって少し申し訳ない気持ちになった。
家の中で人目を気にせず落ち着いて話しましょう、ということなのだろう。
俺は急いで彼女のあとを追った。



お邪魔します。



(お、お邪魔します…)
(今誰もいないんでそんなに畏まらなくて大丈夫ですよ。)
(そ、そうか…)

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