戦国無双

□血
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天は蒼く澄み渡り、冴えざえとした素晴らしい日。
頬をくすぐる心地よいそよ風に、ねねは微笑む。

「いいお天気だねぇ〜」

手のひらを太陽に翳して、眩しそうに目を細める。
そして、良い事を思い付いた、と両手を打った。

「こんな良い天気の日には、花見するべきだよ!」

最近三成も、部屋に籠りっきりで仕事をしているし、清正も最近退屈そうだったし…左近は色町によく行くから昼は寝てばっかりだし…

「そうと決めたら、早速用意をしなくちゃ!」

稲ちゃんとくのいちに弁当作りを手伝って貰って…闇千代ちゃんに皆を叩き起こすのを手伝って貰って…
これからやらなければならない事を数え上げれば、きりがない。

「うふふ、忙しくなりそうだね」

ここぞ主婦の腕の見せ所!と張り切るねねは、楽しそうに走り出す。

「あぁ、そうだ!小太郎も誘わなくちゃ」

あの子は友達がいなくて、いつも一人で可哀相だからね〜、と失礼極まりないことをさらりと言う。
廊下にねねの足音が軽やかに響く。
と、一つの部屋の前に立ち止まる。
確かこの部屋に小太郎が泊まっているはず。もしもいなければ、家康の側にいる半蔵に探し出してもらえばいい。そう考えてから、ねねは障子に手をかけ、そっと開ける。

そこには



赭―――

床一面に広がる鮮血のような緋色――――

そして、その中央には青白い顔をした風魔が大の字になって倒れていた―――


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