11/04の日記
15:41
夏目漱石『こころ』について真面目に考察してみた※長いしくどいよ!
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夏目漱石の『こころ』、今学校の授業で学習中です〜
友人『K』が『先生』に下宿先の娘さんの『お嬢さん』に対する切ない恋心を打ち明けた辺りから『K』が自殺するまでしか教科書には載っていなかったので、図書室で『こころ』を借りて読破しました〜
ぶっちゃけて意味分からん。
完全に意味が分からないというよりは、多様な解釈が可能なのでもやもやする感じ〜。
どの登場人物も言い繕ったり弁解したり思惑があったりして、微かに過去と未来と人柄を匂わせるだけで、結局本音を一度もはっきりした言葉で言ってくれないんだもの。
ていうか、まあ。
『こころ』読んでる間、『先生』がいちいち『K』のことばっか考えてるんでお前もう『K』のこと好きだろ…愛しちゃってんだろ…と。
だってだって『先生』ったら『K』が話をするために顔を近付けてきた時変な心持ちがしたって。
『K』が『お嬢さん』のことで薄赤く顔を染めた時喚き暴れたくなったんだろ。
それは、もう、お前、あれだよ…恋だよ…。
明治時代の文豪の作品にまでハァハァ萌えてるような腐女子ですみませんね。
あくまでも私はプラトニック萌え(もしくは恋が成就するまでのもどかしい関係性)なので好きな作品はBLのびの文字もねぇものばっかりで、忘れがちですがしっかりばっちり腐ってます。
腐っててすみませんね、えぇ。
でもさ、でもさ。
『こころ』は外国ではホモ小説のカテゴリに入れられてるし別にいいじゃん〜と開き直ってますん。
友達なんかは
『Kは本当は先生のことが好きで、主語をお嬢さんに変えて先生に想いを告白した。
ぶっちゃけKはお嬢さん好きじゃない。
だから告白の時先生が感じた、本気の言葉は全部先生に向けてのもの。本人を前に赤裸々に想いを打ち明けたんだから「切ない」声になるのも必然。
先生は実は無自覚でKが好きだった。だからKのことしか考えられなくなってオロオロ→お嬢さんにKを取られたくないという思い。
ようするに無自覚すれ違いラブだったわけだよ!!』
とお嬢さん当て馬説を語っておりました。ナニソレオイシイ
あとですね〜ずっと物議を醸してる『K』が自殺した理由なんですけど、
これ本当に色んな意見出てますけど、どれも説得力ありますね。
それを踏まえた上での私の意見では、Kは死ぬしかない人間だったと思うのね。
うん訳分からん意見だこれ。
えーと、Kは自分の道を追求するのに人生捧げてて、恋だの出世だのを馬鹿馬鹿しいと鼻で笑うようなお固い人間だったのに、お嬢さんに恋をしてしまった。
両親、養家、故郷を裏切って騙してまで自分の『道』を貫こうとしてたのにそれを、自分が一番馬鹿にしてた『恋』で反古にしてしまったと。
だからもう、自分がお嬢さんに恋をしていると気付いた時点でKは自殺を決意したんじゃないか、と思うのね。
「覚悟?―――覚悟、覚悟ならないこともない」や「近頃夜はよく眠れるのか?」みたいな自殺を暗示させる事を、奥さんから先生とお嬢さんの結婚を知らされる前に先生に言ってるから、これは確実だと思う。
それに先生の寝ているときに襖を突然開けてて、思いっきり挙動不審すよね。
もしもここで先生が起きなければ、Kはその日に自殺していたかもしれない。
これらから、先生とお嬢さんの結婚話は、Kの自殺の直接的な機縁ではなくなる。
むしろ、結婚話は自殺のきっかけですらなかったのではと睨んでます。
ようするに、何か決定的な一つの原因があって自殺をしたわけでなくて、自分自身の不甲斐なさ(理想を何も実現できずに神経衰弱させた)や世の中の裏切りとかによる(親戚のあれとか先生のそれ)不安の積み重ねかなあ。
自己矛盾による苦悩が主要っぽそうだし、いうなれば、芥川のそれと似た理由かも。
お嬢さんに惚れた瞬間に精進の意義を見失ったKが「自殺を覚悟」してなお生き続けた理由は先生がいたから。
先生達はいわば未練のようなもので、お嬢さんへの恋を打ち明ける相手として先生は十分に信頼してた。
だから自殺を仄めかすような言動をするまえに、先生にお嬢さんへの恋心を告白したのは、Kなりの先生への『遺書』だったのかもしれない。
それが不意打ちのような形で結婚するし、それを先生自身から言ってくれなかった。
自分は先生に、いうなれば人生の汚点(そこまで言う?)を開けっ広げに告白したのに先生ときたら黙ってた。
先生がお嬢さんを好いてることも、結婚することも黙ったままだった。
Kがこのことを知った時、お嬢さんのことを差し抜きにしても、友情を裏切られたように感じてしまうのも無理はないと思う。
『私に隠し立てをしてくれるな』と先生に言われ、『何もない。君に隠し立てするようなことは何も』と答えててたしね。
先生の方こそ『隠し立てするな』って言っておきながら自分が隠し立てしてんじゃんバカーみたいな。
遺言を残したのは、そういう点での友人の不義理に対する恨みと抗議の意味があるんじゃないんでしょうか。
そのことで友人を罪の意識で苦しめようとした意志もちょっとあった気もします。
そもそも、どんな理由があろうとお世話になった家で自殺すんなって感じなんですが、Kは別に悪意はなかったんじゃないかと思う。
自分が確実に死んだところを見てほしいのと、それから今から死にゆく自分の存在を少しでも長く重く誰かの心に留めたかっただけじゃないかと。
すっげえ迷惑!なんて我が儘なのKときたら!!
というかよく考えたら先生とお嬢さんの関係をもっとも不幸にする方法があの場所であの方法による自殺じゃん。
何これ計画的自殺?
父が、Kに対して述べてたことなんですが、
『もしKに二人に対してわずかでも思いやる気持ちが残っていたらああいった死に方はしない。
上記の先生に対する恨みも、遺言さえあれば十分で人知れず死ねばいいだけの話だ
あの遺書とあの死に方には悪意しか感じられない』
ってさー…。
確かにそうだなーって思うけど、私にはどうしてもKには悪意を感じられない(あくまでもKを畏敬してる先生視点のKに関してだけども!)
だから、Kはそれはそれは他人の心をさっすることの出来ない人間だったと考えてます。
私と一緒だね!←
後先考えないし、自分中心にしか物事を考えられず、思い込みが激しくて自分の行動がどんな影響を及ぼすのか想像のできない人。
理屈を捏ね回しては悦に入る極めて傍迷惑な人間
それが客観的に見たKの人物像。
ただしそれだけの人物なら先生が畏敬するわけがないので、KもKで美点はあったはずだということも書いておく。
まあもしかしたら恋は盲目状態だったかもしれないが。
先生がKを下宿させようとした時、奥さんが先生のためにならないと反対してたことを考えるとねー。先生は奥さんが何を企んでるって勘繰ってたけど、先生の人を見る目は信用ならないので(笑)
まあ、だからそんなBOK(ベストオブKY)なKだから、自分が死んでも何も無いと思ったから、自分がどうなろうと誰も何も思わない、何も変わらないと思ったから。
だからこそ他人の胸に自分という存在を少しでも残したかったから、あんなはた迷惑すぎる死に方死に場所を選んだんだと思うヨー。
ガキかてめえは!って思うけど、周りが見えない、思い込みが激しい、人の気持ちが分からないと言われる私には少しKの気持ちがわかる。
K、自己否定にがんじがらめになってたからなあ
Kの自殺は江戸時代と明治時代の境目を象徴してるってことでいいのかな。
他にもKの遺書の中、「もっと早く死ぬべきだったのに・・・」の後にどんな言葉が続いたのかとか、
お嬢さんはこのことについてどう考えてたのかとか、色々考え込みたくなる要素盛り沢山です。
お嬢さんははっきり先生のこと好きだったと書いてあるしなー
奥さんが先生に結婚を快諾した際、「本人が不承知の所へ私があの子をやるはずがありませんから」と言ってるし、
昔の先生について問われたお嬢さんが、「あなたの希望なさるような、又私の希望するような頼もしい人だったんです」とのろけてらっしゃるし。
えーめっちゃ先生のこと好きじゃん。
先生がどれだけ人間不信なのかという話だよー
それなのにKは信頼してたとかどんだけ好きなんだよーもうそれは恋だと(ry
それに主人公が先生の遺書を読み終えたあとがめっさ気になる…
親父さん危篤だってのにどうすんだ。
他にもネット上で見かけた意見ですが、
Kのイニシャルは、自殺に使ったナイフのスペル、knifeの発音しないKと、黙って去ったKと意味は同じ…と。
なるほどと膝を打ちましたね。なるほど。
私単にKYのK(笑)かと思ってました、えぇ(笑)
夏目漱石め…!
こんなに頭を使わせときながら結局もやもやしたままとか、マジ鬼畜…!
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