呟き


◆  [追記]

「うーっす、飯食おうぜー」

ノックの後、ピアノ室に入って来たのは蘭丸だった。


その手には大好きな唐揚げ弁当。

びっくりしたけど、最近忙しくて逢えてなかったから素直に嬉しい。


「ごちそうさまでした」

お茶を飲みふうと息を吐くと、蘭丸の肩に頭を寄せられた。


「…蘭丸?」

「どうせ次のおれらのソロの作曲で、ろくに寝てねえんだろ?」

「そんなこと…」

呆れ気味に図星をつかれて強く否定できない私に、蘭丸は優しく続けた。

「おれといる時は無理すんなって言ったろ?しばらくしたら起こしてやるから」


「そのために来てくれたの?」

「…別にそんなんじゃねえよ」

顔を上げると少し照れくさそうな蘭丸にひとつキスをされ、もう一度肩に頭を寄せられる。


「ありがと。…大好き」

言って、私はそっと目を閉じた。

<創作関係> 2018/04/25(Wed) 23:17

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