‡滅紫の花の名は‡

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仁が姿を消した日、名無しさんが目覚めたのは自室のベッドの上だった。


名無しさんを好きだと言った仁。

そして俺を赦すなと姿を消した仁。

信じられない記憶と信じたくない記憶が混ざり合う。


意識したことがなかっただけで、仁を好きだったかもしれない。

けれどそれならば尚のこと、仁を止められるのは自分だけだと名無しさんは思う。


「仁…」

名無しさんは拳を強く握りしめる。

「あたしが、殺す…!」


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