人形遊び

□doll3
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冷え切っている空気を壊すようにツナは明るい声で話し出した。

「さて、うだうだ言ってても仕方ないからね。順番決めようか」
「順番?なんのですか?」

いぶかしむような目で見てくる骸に、ツナはにやっと笑った。その瞬間骸の背筋に悪寒が走った。
骸の経験上、この笑い方はよくないことを考えていると、頭の中で警報が鳴っている。
そんなことは知らずにツナは隣に座るリボーンから葵を取り上げた。本当に子供の重量と体温が手に伝わってきて、自分の膝に移して改めて人間まがいなのだと思った。驚いたのは一瞬で、すぐににこりと笑った。

「葵が泊まる部屋」
「――いやちょっと待ってください。その子の部屋を造ればいいじゃないですか。使ってない部屋なんていくらでもあるでしょう」

一息で言い切った骸は動揺したように目を泳がせている。――否、事実骸は動揺していた。子供があまり得意ではない骸は自分の部屋にくるということが恐ろしくて堪らない。
けれどそんな骸を無視してツナとリボーンは葵の取り合いを始める。なんだかんだ言って、二人も葵に魅了されたのだろう。それともただの子供好きなのか。

「こんな小さい子を一人にさせるわけにいかないでしょ、何があるかわからないんだから」
「こんな時に子供が苦手とか言ってんじゃねえぞ」
「とにかく、却下」

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