人形遊び

□doll6
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部屋に戻る途中。骸はあ、と声を上げ腕の中にいる葵を見た。

「そういえば、綱吉くん達となにをしていたんですか?」

骸がそう聞くと不思議そうな顔をしていた葵は少しだけ笑ったように目を細め、唇に人差し指を当てた。
その姿に面食らった骸は瞬きを繰り返し、小さく「内緒」と言った葵をくすりと笑った。

「わかりました。後で綱吉くん達に聞きましょう」

くふふ、といとおしそうに笑う。
笑う骸を見ていた葵は何回か口を開いたり閉じたりしていた。まるでなにかを言おうとして躊躇っているような。
葵は骸に顔を寄せた。

「ボス達に、内緒って言われたの」

内緒話をするように、静かな声で。

「でも、骸には教える」

小さく小さく、秘め事を耳に吹き込んだ。
部屋の扉に手をかけた瞬間に言われた言葉にだらしなく緩みそうな顔を引き締め、にこりと笑った。

「おや、それは光栄です。――誰にも聞かれないよう、部屋の中で聞きましょう」

そう言いながらも内心聞きたくて仕方がなく、早く早くと足は急ぐ。
乱暴に扉を閉めてベッドに葵を降ろした。



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