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□性急愛
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部屋に入るなり、七緒は強引に春水に抱き寄せられた。
そして、唇を奪われて吸われてしまう。
「んん…ふ…うん…」
「ん…は…はむ…んん」
春水は夢中になって貪るように、七緒の唇を舐め、吸い、しゃぶった。舌を唇から侵入させて、七緒の小さな舌を見つけて絡ませて、弄びもっともっととねだった。
「…んふ…ふ…」
息も出来ないほどに夢中になって唇を求められて、七緒の足はがくがくと震えはじめ、縋りついた。
「は…ふ…七緒ちゃん…」
春水も息をきらしているようだ。
熱く欲望に詰まった瞳で、七緒を見つめる。
「隊…長…?」
あまりに情熱的すぎる口付けに、七緒は頬を赤らめて潤んだ瞳になって春水を見上げた。
「ああ…七緒ちゃん、なんて可愛いんだ…食べちゃいたいよ…」
上擦った声で七緒を求め、切なげに訴える。
何時もの台詞だ。
だが、前置きもなく、突然欲求をぶつけられることは滅多にない。
あるとしたら、嫉妬されてしまったり、春水の訴えがあまりに想像からかけ離れすぎて、予想出来ないときに突然と感じるくらいだ。
しかし、今は違う。
七緒はぼうっとする頭を必死に回転させて、何かあっただろうか、何かの記念日だっただろうかと考えて、突然の求愛行動を阻止しようとする。
「七緒ちゃん…」
再び唇が奪われて、七緒の思考が止まってしまう。
春水に本気で、情熱的に求められて拒める事など無理な話なのだ。
「あ…んん…」
背中に回されていた逞しい腕は、七緒のお尻を掴み激しく揉み上げ、荒々しく唇を求められる。
気が付けば、執務室の壁に押し付けられていた。
春水の笠は何時の間にか落ちていて、肩から掛かっていただけの薄絹も落ちている。