□昼寝
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「えへ…えへへ、七緒ちゃん…えへ…」
 春水はまだ夢の中のようだ。涎を垂らして何か呟いている。
「何の夢見てるんだかねぇ?」
 乱菊が面白そうな表情で七緒を覗き込む。
「知りません。全く…いい大人がこんな格好で…」
「んん〜……うわっ!!な、なんだなんだ!?」
 騒ぎに冬獅郎が起き出し、集まっている副官達の姿に驚く。
「何だはこっちの台詞ですよ。珍しいですね、隊長、京楽隊長や更木隊長と一緒にだなんて」
「は?」
 乱菊の台詞にきょとんとし、首を巡らせると確かに巨大な二人が並んで眠っていて、やちるがちょこんと剣八の上で眠っている。
「あら、やちるったらもう眠ってる」
「先程おやつを食べましたしね」
 七緒も微笑を浮かべて見る。こちらはまだ微笑ましい光景だから良いのだが。

「何だ、こいつら何時の間に…」
 冬獅郎の呟きで、七緒も乱菊も直ぐに解った。
 はじめは冬獅郎が一人でここに来て、春の日溜まりに眠りに誘われたのだろう。
 春水や剣八がその姿をみて、眠気を誘われて眠りについたに違いない。

「隊長!起きて下さい!隊長!!」
「うう〜ん…七緒ちゃん…ちゅーしてくれたら…おきる…」
「とっくに起きているんでしょう!この騒ぎ、この霊圧。起きていないとは言わせません!」
 七緒の言葉に春水は笠を持ち上げてちらりと見上げると、厳しい目つきで見下ろす七緒と目があった。
「…七緒ちゃんのけち」
「けちじゃありません!」
 冬獅郎は呆れた視線を向け、乱菊は笑っている。
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