◇BLEACH

□誘われて
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「隊長、そろそろ起きて下さい」
「ん…、七緒ちゃぁん…」
 春水は寝ぼけて七緒の膝を撫でる。
「隊長!!」
 七緒は扇子を取り出し、ぴしりと手を叩く。
「ひどいよ、七緒ちゃん」
「もう充分でしょう?」
「うん…ありがとう」
 春水は素直に起き上がって、伸びをした。
「足は痺れてない?」
「はい、大丈夫です」
 春水の差し伸べる手に、七緒は手を置き立ち上がる。
「んーーー、よく寝た」
「サクサク、仕事を片付けてくださいね」
「はーい」
 今の七緒は機嫌がいい。春水もそんな七緒が可愛くて、嬉しいので、仕事は嫌だとは駄々を捏ねないことにした。怒っている七緒は勿論可愛いのだが、こんな綺麗に微笑んでくれることは滅多にない。この微笑を崩したくはなかったのだ。

 立ち上がった時に置かれた手を、そのままそっと握る。
「帰ろうか」
「はい」
 そのまま手を繋いで引いても、七緒は嫌がらなかった。

「あ」
「あら」
「よく寝てるなぁ」
「本当に気持ちよさそうに」

 戻る道で、剣八とやちるを見つけた。
 剣八の広い懐に包まれて、左腕を枕にして心臓の音を聞きながら幸せそうなやちるの表情。剣八の表情は眼帯で覆われていて、解らないがきっとこちらもさぞかし悪くない表情をしているのだろう。

「起すの悪いしね」
「はい」
 
 二人はそっとその場を離れた。
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