◇BLEACH

□はじまり
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 七緒を抱えたまま、一気に八番隊迄戻ってくると、執務室に入り鍵を掛けた。

「七緒ちゃん、ごめん」
 春水は七緒を降ろすと、真っ先に謝った。
「言いたいことは一杯あると思うけど、先ずはボクの話を聞いてくれる?」
 立て続けに、色々起こって七緒も落ち着いて考えをまとめたいと思っていたので、素直に頷く。
「…七緒ちゃん、ボクは君が好きだ。実は、一目惚れでね」
「…は?」
「君を避けていたのは、嫌いだからじゃなくて、寧ろ逆でね。その…七緒ちゃん見てると、押し倒して力ずくでものにしたくなってしまうからで…」
 春水の話を聞いていた七緒は、開いた口が塞がらなかった。
「あの…」
「何だい?」
「…私は今、隊長に告白されているんでしょうか…」
「うん」
 春水に真直ぐに見つめられ、七緒は頬を染めて俯く。状況を把握しはじめたのか、顔は頬以外にも赤さが広がり、耳や首までも真っ赤になっていく。
「七緒ちゃん?」
「は、はいっ!」
 びくりと肩が跳ね、声が裏返っている。
「お付き合いしてくれる?」
「え?あ、あの…」
 春水は静かに、答えを待つ。
「あ………………………、はい」
 長い沈黙の後に、小さな声で、小さく頷いた。
「…七緒ちゃん!」
 待ってましたと言わんばかりに、七緒に抱きつき、抱き締める。
「ああ、良かった。断られたらどうしようかと思ったよ」
 力一杯喜ぶ姿を見て、七緒も口元に笑みが浮かぶ。
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