◇BLEACH
□珍しき事
5ページ/6ページ
「私が、誰のものか、その身に教え込まなくてはならないようですね?」
七緒は春水に馬乗りに乗ると、唇を重ねる。
春水の唇を啄み、離れた七緒の口元は笑っていた。
「七緒ちゃん?」
「いつもの口癖は嘘なのですか?」
「……ボクの…七緒ちゃん…」
春水も口元をほころばせ、七緒に手を伸ばした。
「酔っ払いの介抱は、一度だけです。二度目はありませんからね」
翌朝、二日酔いで苦しむ春水に、七緒は冷たく宣告する。
「ええ!?ったたたった」
自分の大声が響き頭を抱える。
「あら、隊長は二度も三度も、ミスを繰り返されるような愚かなことをされる人じゃあ、ありませんでしょう?」
七緒の優しい笑みに、春水は眉を顰める。
段々と自分の扱いが巧くなってくる彼女。
「手厳しい副官だ」
「選んだのは、何方ですか?」
「ボク」
「良く出来ました」
二日酔いに効くという、苦い苦い漢方薬を飲まされて、書類を高く積み上げられ、酷い二日酔いゆえに、逃げられず、もう二度と酒に呑まれるものかと固く心に誓ったのでした。
おしまい