□月に誘われて
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「んー…結構飲んだかな…」
 七緒の髪を掻き分け、項に唇をあて吸い付く。
「ん…何…」
「眠れないんでしょ?」
「眠れないのでなくて…」
 身を捩り逃れようとするが、酔っ払いの力というものは、容赦が無い。しかも、理性の箍も外れ易い。七緒は違うと言いかけたが、溜息を吐いて諦めた。どうせ、眠ることを既に諦めていたのだ。ここは酔っ払いに付き合うのも悪くはないだろうと考え直した。
 ここ暫く肌を重ねていなかったことでもあるし、たまには場に流されるのも悪くは無いだろう。
「……眠らせて、いただけるんですか?」
「…直ぐには無理だけどね」
 七緒の言葉に、春水は笑みを浮かべて頬へと口付けを贈った。



「あ…は…」
 寝台の上で仰け反り、声を上げる。
「ん…ちゅ…」
 春水は執拗にただ一所を攻めていた。口に含め舌先で転がしては、吸い上げる。
「ああん!!も…だめっ…」
 七緒は必死で春水の頭を押し、動きを止めようとするが、止まる訳がない。より一層舌で嬲られ、逆に力が抜け落ちる。
「七緒ちゃん…」
 七緒の抵抗がすっかりなくなったところで、春水は一息に身を沈める。
「はあ…ん…」
「うわ…気持ちいい…」
「あ…だめ…」
 春水はうっとりと呟き、動こうとするが、七緒に止められる。
「ん?」
「…まって…」
 七緒は呼吸を整えようとしていた。
「先に達ってもいいよ?ボクもちょっと加減ききそうにないから…」
「あ!だめっ!ああっ!」
「ご免よ…」
 一言謝罪の言葉を口にするなり、春水は身勝手に動き始めた。
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