□やる気の出る方法
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「失礼します」
「はいっ!どうぞ!!」
 七緒の声に、春水は顔を上げ、元気よく声を掛ける。
「わあ!!七緒ちゃん可愛いっっ!!」
「足元が寒いのですが…」
 七緒の着てきたものは、現世の一護の通う学校の制服であった。
「似合うよー、すっごく似合うっ!可愛いっ!!」
 春水は舐めんばかりに、七緒の姿を下から上まで何度も何度も見ている。
「さぁ、書類を片付けてしまいましょう」
 春水の視線を払うように、七緒が机へと向かい腰を下ろす。
「そうだねっ、頑張るっ!」
 机に座られてしまっては七緒の姿がよく見えない。書類の山を片付け視界を広げ、七緒がこちらへと書類を持ち込みにこれば、すらりと伸びた美しい手足が見れるというものだ。
 七緒の姿を見たいがために、春水は頑張った。
 スーツを椅子に掛け、ネクタイを緩め、袖を捲くり、やる気モードで書類に立ち向かう。



 やる気の出た春水の書類を片付ける速さは尋常ではない。七緒も舌を巻く速さで片付けられて行く。
「これで、最後です」
「やったね!」
 七緒が春水の元へと書類を持って来た。春水の隣に立ち、書類を差し出す。春水はというと書類よりも、当然の事ながら七緒の足に釘付けである。
「…隊長、書類を」
「あ、はいはい…」
 七緒が眉間に皺を作り注意を促すと、春水は慌てて書類を受け取り、署名をする。
「お疲れ様です」
「うーん、お疲れさんーー」
 春水は伸びをし、七緒の腰を引き寄せる。
「きゃっ」
「もう、いいよね?」
 自分の膝の上へと七緒を腰掛けさせる。
「……ここでは、嫌です…」
「じゃ、隊首室ならいい?」
 七緒は小さく頷き、春水の提案を受け入れた。
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