□ざわめき
1ページ/4ページ

「…一角さん…」
「あ、ネムさん」
 賑やかさを取り戻しつつある、十一番隊にネムが顔を出した。平隊員に案内され、庭で木刀で素振りをしていた一角の元へと案内されてくる。
「あの…すみませんでした…マユリ様が…」
「ああ、気にしちゃいませんよ。お互い様です。こっちも解っててあんな返事しましたからね」
 一角はネムを縁側へ座るよう促し、自分も腰を縁側へと降ろし、平隊員へ下がるように合図をする。
「俺も更木隊長第一だしな」
 口調を変え腕を組み、ネムを見る。
「……」
「一護は面白い奴だったぜ」
「…そう、ですか」
「…浦原さんに教えを請うたらしい」
「……」
「…ネム…」
 一角はそっとネムを引き寄せ、唇を啄む。
「……ん…」
「涅隊長は大丈夫なのか?」
「…ええ…今はもう…」
「そうか」
「……一角…さん…」
「うん?」
「……ご無事で…良かった…」
「ああ」
 ベッドで横たわる一角を見、追い込まれたマユリを見、ネムは一日で世界が随分変わったように思えた。
「…な、今日はいいのか?」
「…はい…、マユリ様も、お体が戻られましたし…」
「そうか」
 一角は草履を脱ぎ、縁側にあがるとネムを抱え上げて、自室へと連れ込んだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ