◇BLEACH

□振り向かない
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「お、吉良!良いところに」
「何だい?阿散井君」
「この書類の処理の仕方が解らなくってよ。教えて貰おうかと思って」
 六番隊に所属する阿散井恋次は、つい先日、副隊長にあがったばかりでまだまだ解らない事が多い。隊長の白哉も今は不在の為、一番尋ねやすく、先に副隊長に就任していた同期、三番隊の吉良イヅルの元へ向かう所だった。その当人を運良く道端で捕まえ、早速尋ねる。
「……あれ、これは僕も処理したことがないなぁ…」
 恋次から書類を受け取り一読し、顎に手をあて記憶を探るが、イヅルも思い当たらなかった。
「役に立てなくて、ごめん」
「そっかぁ、ありがとよ。んじゃ、檜佐木先輩に聞いてみるか…」

「呼んだか?」
 噂をすれば何とやら。偶然その場に現われたのは九番隊の副隊長檜佐木修兵。
「ああ!良いところに!実はこの書類なんスけど、処理の仕方が解らなくって」
「あん?どれ…、何だこれ。俺も知らねェなぁ」
 髪を掻き恋次に書類を返す。
「え?檜佐木先輩も知らないんスか!」
「初めて見た」
「うーーん」
「おう、どうした。そがいなところに固まって」
 そこへ、副官の中では古参になる七番隊の射場鉄左衛門が現われた。
「あ、射場さん。実はこの書類の処理の仕方が解らなくって…」
「ああ?…ふーむ。儂も初めて見るのう…」
「え?射場さんもっスか!?じゃあ、隊長帰って来てから尋ねた方が確実かな…。すみません、ありがとう…」
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