◇BLEACH

□好奇心
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 最初は好奇心だった。

 十二番隊へ頼み毎をするために、邪魔した時の事。

「…んじゃま、そういうことで頼まぁ」
「へーい、わっかりました」
 阿近が咥え煙草で、一角へ返事をする。
「…阿近さん…」
「あ、はい。なんすか?」
「これを…マユリ様から…」
「ああ、はい、了解っス」
 無表情で会話をするネムに、気にしない阿近に、一角は興味を覚えた。
「…へえ…間近で初めて見た…。見たところ変わらないんだな…」
 マユリの技術の粋を極めた作品。
 人形にはとても見えない。
 白い肌には血が通っているし、瞳は透明で澄んでいる。
 一角の呟きに、ネムは首を傾げた。
「…気味が悪いとは思わないのですか…?」
「は?別に?あんた、うちの副隊長と仲良くやってんだろ?あの人が仲良くするってことは、大丈夫って事だ」
「ははは、子供は素直で敏感だもんな」
「そういうこと」
 阿近と一角は高らかに笑う。
「どうよ?」
「……美人だな…この顔は涅隊長が?」
「そうだ」
「へえ…」
 一角は遠慮なくネムの顔を覗き込む。好奇心に満ちた瞳に、ネムは居心地が少しばかり悪そうに佇んでいる。
「なあ…。あんたは、ずっと涅隊長にくっ付いているのかい?」
「…何をお尋ねになりたいのか、判りません…」
 一角の言葉にネムは首を傾げる。
「いや、何でもねえ。悪かった」
「……そうですか…」
 ネムの答えを強引に聞くつもりはないらしい。一角はあっさりと質問を取り消す。
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