◇BLEACH
□心も身体も
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マユリは完璧主義であるから、女性の性器までも忠実に再現はした。
それを知った一角がマユリに頭を下げて来たのだ。
「結婚したいだとか。涅隊長から奪おうとは思いません。思いませんが、俺も男です。ネムさんを見てると、どうしようもなく、抑えきれなくなる時があります。体の関係を許しちゃくれませんか?」
実に単刀直入に、呆れるほどに真っ直ぐに許可を求めてきた。
マユリは呆れ返って思わず、反射的に許してしまったのだ。
「…好きにするが良いヨ」
結婚させてくれだとか、あんたは親じゃないだとか、彼女にも心はあるだとか、奇麗事を並べてくるような輩は、今まで一笑に伏してきたり、実験材料にしてきたが、この目の前の男は、何処までもマユリの考えとは違う所に居る。
計算で物を言わない。
これだから十一番隊の連中は…。思わず溜息が出る。
ネムと一角に関しては、やちるにすら頭を悩まされてきた。
何かと言うと。
「ネムちゃん貸して!!」
ネムを物のように強引に持って行く。
人扱いしない筆頭の親のマユリですら唖然とさせられるのだ。
「…君達は…ネムを何だと思ってるんだネ…」
思わず、口から恨み言のように愚痴が洩れる。
「…何って…、ネムさんはネムさんでしょ?」
「………」
知的会話を楽しみたい。マユリは額に手を充て唸るばかり。
「…えーっと…、涅隊長?」
「…君と話す事はもうない…とっとと出て行きたまえ」
「失礼します」
片手で追い払う仕草をすると、一角は立ち上がり頭を下げ出て行った。
扉の向こうで、ネムに報告しているらしき会話が聞こえる。
「……何時から、こんなに甘くなったんだ…私は…」
マユリは一人頭を抱えてしまったのだった。