□進化・sideB
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「ん…んん?」
 乱菊は無意識にギンの頭を掻き抱き、違和感に気がついた。
「…にゃに…?これ…」
「クマさんの耳や」
「…クマ?あはははははっ!可愛いじゃにゃいにょ!!やだ、尻尾見せにゃさいよ」
 乱菊はギンの頭に生えた丸い小さな耳に、指をさして爆笑する。ギンの身体を掴み尻を見ると、小さな丸い尻尾も生えていた。
「やーん、可愛いじゃにゃい」
 乱菊は途端に上機嫌になる。
「可愛いやろ?」
 ギンも乱菊の猫語に嬉しそうに返す。
「…でも珍しいわね、あんたが進んで自分からにゃん…て…」
 言いかけて乱菊は気がついた。
「……クマに…にゃにか…あるにょ?」
「クマさんの交尾、知ってはる?」
「…し、知らにゃい…知りたくにゃい…」
 乱菊は猫耳を後ろに伏せ、尻尾を膨らませてじりじりと後退る。
「あんなぁ…確実に子孫残すために、一回突っ込んだら、数十回連続でこなさんと離れへんのやて」
「…にゃ!!」
 ギンはがっちりと乱菊の腰を掴み、既にほぐれ柔らかくなった其処へ、身を沈ませる。
「あああああ…、ちょ…ギン…」
「覚悟しとき?」
 ギンは笑みを浮かべ、腰をゆるりと振り出す。
「…あ、そんにゃあ…ああ…」
 


 ギンの言葉通り、数十回、離れる事無く乱菊の中に居つづけた。
「はふ…流石にちょおばててきた…」
「…ん…はな…れにゃさい…よ…」
 乱菊の声は掠れ、涙と汗で顔は濡れ長い髪が張り付く。ギンは丁寧に髪を指先で払い、口端を吊り上げる。
「ん…でも止まれへん…まだいけそう…」
「……も…やだ…ぁ」
「そないな…こと…いわんと…」
 優しく乱菊へと口付けを贈りつつも、腰の動きは一行に止まる気配を見せなかった。
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