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□ざわめき
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ネムは小さな舌を出して、一角の傷を舐める。
「くすぐってぇ」
一角は小さく笑い、ネムの頭を撫でながら、片手は豊かな胸へと伸びる。
「あ…」
「こっち…」
一角はネムに足を広げ自分の顔を跨ぐよう促し、顔を埋める。
「ああ…」
ネムも目前にある一角の逞しい物を口へと含ませる。
室内に互いの吐息と淫靡な水音が響き渡る。
たっぷりと時間を掛けて、互いに互いを口で温め解しあうと、一角は身体を起す。
「…ふ、そろそろ…」
「…あ…」
身体を反転し、ネムを自らの身の上へと腰を降ろさせる。
「はああん…」
下から突き上げられるその質量に、ネムは溜息のように息を吐く。
歓喜で体が震えた。
一角が己の身の内にいる。
一角もまた、ネムの内の温もりに生を実感する。
「…ふ…ネム…」
ネムの頭を引き寄せ、唇を重ね合わせ貪りながら腰を突き上げる。
「…ん…んん……ああっあああっ!」
あまりの激しさに自然に唇が離れ、ネムは大きく仰け反る。
今回、ネムはマユリに酷く扱われたのだと、一角は人づてに聞いた。
マユリらしいと苦笑いを浮かべるしかできなかった。
マユリに病室で問い詰められた時、不思議と嫌悪も何も感じなかった。
これが、自分とネムとマユリの関係なのだろう。
「ま、いいか…」
こうして生きているのには違いないのだ。一角はネムを突き上げる事に専念することにした。