□僅かでも
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 しばらく人払いを命ずると、烈は布団を用意する。
「…昼間からいいのか?」
 十四郎は烈の頬へ手を掛け尋ねる。
「これからまた、忙しくなりそうですもの。調子の良いあなたに何時巡りあえるか」
「…それもそうだな…」
 烈は頬へあてられた十四郎の手に、手を重ね微笑を浮かべる。十四郎も笑みを浮かべ頷き、唇をそっと重ねる。
 ゆっくりと確かめあうように、唇をついばみ重ね、やがて舌を忍ばせ絡ませあう。
 互いに死覇装を脱がし合い、布団へと重なり横たわる。
 十四郎は烈の髪を解き、布団へ広げ、白く滑らかな肌に唇を落としていく。
「…ん…」
 烈は小さく声を洩らし、十四郎の愛撫に応える。



 丁寧に愛撫し、解していくと、十四郎は烈の足を抱え、ゆるりと身を沈ませる。
「…んん…」
「…烈…」
「十四郎様…」
 互いを呼び合うと、手を重ね、ゆっくりと、深く沈みこんでいった。




 短くも甘い一時はあっと言う間に過ぎていく。

 烈は十四郎の白い隊長羽織を、着せながら口を開く。
「くれぐれも、ご無理はなさいませんように…。病み上がりで、封印解除、山本総隊長と刀を交えられたのですから」
「ああ、解っている」
 烈に羽織を着せてもらいながら、十四郎は真面目に返事をし、別れ際に口付けを交わす。

「…また、来る」
「ええ」



 ほんの一時の逢瀬。

 次が近い日であることを、二人は願うのでした。



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