◇BLEACH

□実験体
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「あ、気持ち悪くなったら、そっちで吐いて下さいよ」
 阿近はバケツを指差す。
「気持ち悪くなるのかよ」
「魂の相性悪いとなりますね」
 煙草の煙を吐き出し、片手で機器のキーを打ち込む。
「しっかし、一角さん良く乗り気になりましたね」
 阿近が座っている一角を見下ろし、くわえ煙草で口端を上げる。
「……ネムさんとの仲認めてくれるっつうからよ」
 一角は阿近から、視線をそらしながら、頬を少しばかり赤くし、口を尖らせながら返す。犬の尻尾も嬉しそうに左右に触れている。
「…ぶっ…」
「な、何だよっ」
「こ、こりゃ、受けるかも。思ったより面白いぜ」
 阿近が笑いを堪えながら、一角の尻尾を指差す。
「………なあ、これってよ、隊長と副隊長の忘年会で使うんだよな?」
「ああ。市丸隊長の提案でな」
「……うちの隊長とか、大前田副隊長にも…?」
 二人は顔を見合わせ、大爆笑する。
「み、見てえ!」
「隠し撮りとかしてぇっ!」
「女の副隊長とかについたら、逆に似合いそうだよな」
「ああ、可愛いぜ。伊勢副隊長が口にしちまって子猫になってたな」
「…ああっ!それで俺にまわってきたのかよっ!」
「まあな、珍しく京楽隊長が怒ったもんだからさ」



 こうして、一角の犠牲の元薬は完成し、無事に(?)忘年会で使われたそうです。



 ちなみに、一角は一応の交際は認められましたが。

「…申の中刻には帰るようにと…」
 ネムが申し訳なさそうに、一角へ告げる。
「………はは…そうっすか…」
 勤務時間過ぎに会うことは叶わず、あまり意味がなかったとか。
「くそっ負けるもんかっ」


おしまい
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